2017.10.05 A.I.

~AI時代に食べていける人になるために~人間にはできて機械にはできないものとは?

「2011年度にアメリカの小学校に入学した子供たちの65%は、大学卒業時に今は存在していない職業に就くだろう」 (ニューヨーク市立大学教授 キャシー・デビッドソン氏)

 
先日、「2020年の入試改革とこれからの子供たちが求められる力について」という講演会で引用されたのが、少し前に文科省の資料に登場した上記の発言でした。

 
今の仕事の6割以上が変わるとは、大変なことのように思われます。

しかし今から10年前を考えてみると、ちょうどiPhoneが発売された2007年でした。
当時、多くの人は携帯電話が今のような形になるとは想像できなかったのではないのでしょうか。

 
そう考えると、遠くない未来に65%の新社会人が、今は存在しない仕事に就くのも驚くことではないのかもしれません。こうした“仕事が変わる理由”の一つが、AI(人工知能)による技術の進歩や自動化です。

 
昨年末の米オバマ政権下でも、人工知能が経済・社会に与える影響についての報告書を発表しております。

その中で、「時給が20ドル以下の仕事」の83%ではAIが優勢になるが、「時給40ドル以上の仕事」ではその割合は4%という研究などが引用されました。

 
AIやIoT(モノのインターネット)などの技術革新により「第4次産業革命」と称される時代、人間の仕事はどんな風に変わっていくのでしょうか。
オックスフォード大学でAI(人工知能)の研究を行うマイケル・A・オズボーン博士は、「今後10~20年程度で、アメリカの総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高い」としております。

  
たとえばトラック配送やファストフードの受注などにおいて、機械が得意な単純作業はAIが人間の肩代わりをするといいます。ほかにも、税務処理やローン査定などデータを蓄積することで行える作業部分には、動員される人員は削減されつつあります。

 
 
フェイスブックのCEO、マーク・ザッカーバーグ氏は、昨年100時間かけて作った家庭用AIを「Javis(ジャービス)」と名付け、その映像をフェイスブックに掲載した。そこでは、自宅の照明や室温のコントロール、家電製品やセキュリティの制御、子供の世話までしてくれる、執事のようなAIシステムの構築を目指しております。

   
たとえば、音声を認識して家を制御してくれるAIに「タオルを取って」と言えば投げてくれるし、「寒い」と言えば温度をコントロールしてくれる。もう少し細かく、「もっと軽い感じの音楽を流して」「子供が起きたから電気をつけて」といった注文にも対応します。

来客があれば、予定していた客か、不意の訪問者かなのかまで見分けてくれるのです。

 
人が数十年かけて読んだ書物を、機械はものの数分で記憶するし、写真診療なら1日数十万件くらいこなします。多量のデータを処理したり、単純なパターンで繰り返されたりする作業は、機械が人間に勝っていることは明らかです。

さらにプログラミングを重ね、学習が進めば、今できることの数万通りくらい応用がきくようになるかもしれません。

 
現段階ではまだ“単純作業”の肩代わりにすぎないが、やがてAIは人間の“五感”に取って代わる可能性も高いのです。

 
それでももちろん、機械にできない作業は確実に存在するはずです。

ザッカーバーグ氏も、さまざまな可能性を模索し、その進歩は著しいとしながらも、機械には「唯一できないことがある」としています。

 
「AIはまだ“仕事を理解する”域には達してはいない。人の言語を理解し、顔を認証し、話し言葉を理解するなど、すべては認知技術の基本的なパターンの上に構築されたバリエーションにすぎない。

コンピュータにたくさんの例を示せば正確に理解する。

しかし、それをもとにアイデアを生み出す方法はわからないし、まったく違うことに応用することもできない」

ザッカーバーグ氏はこのように書いております。
 
従来の記憶型の学習や、単純作業の効率化では、機械には到底勝てません。

逆に考えると、今の機械が人間の作業を肩代わりするためには、過去のデータを蓄積して分析し、学ぶ必要があります。

現段階でAIが新たなAIを生み出すことはできないようです。

 
機械は「経験のない状況で判断すること」や「まったく新しい発想をすること」がまだできないのです。
そして、経験を持ち、感情がある人間だからこそできることとは、“実践知”を生かすことです。

 

ただ掃除をするだけなら、ロボットで十分ですが、仕事に必要なのは、人が寝ていたらその人を起こさないようにするといった人間同士の心遣いです。

機械が苦手なことをまとめてみました。


  ・柔らかな発想のある論理的な思考
  ・初めてのことにも対応できる、臨機応変な問題解決能力
  ・共同作業し、欲することを読みとり統括し、新しいことを生み出す力
  ・知識やデータを、人との関わりやコミュニケーションで生かす術


経済協力開発機構(OECD)では「自動化されるタスクがあれば仕事の内容が変化はするでしょう。

ですが、そうした仕事がすべて完全になくなりはしない」と楽観的な見方もしております。

今後10~20年の間で存亡の危機にさらされる仕事は全体の9%に過ぎないとのことです。

 

 
データとデータのスキマを埋める柔軟な発想が、人が機械に勝る強みです。

大人はもとより、子供たちがこれからの世界で生き残るために、さらにこうしたスキルを磨くことが、今後のために大切かもしれません。

(引用元:PRESIDENT Inc.