2018.09.17 A.I.

多数の日本企業がパートナー参画!自律AIロボットや自動運転の開発を加速する「AGX」プラットフォーム!

GPUで知られるNVIDIAが主催するディープラーニング関連の日本最大級の技術カンファレンス「GTC Japan 2018」が9月13日~14日の二日間、品川高輪(東京都港区高輪)で開催された。初日の基調講演に立ったNVIDIAの創業者で社長兼CEOのジェンスン・ファン(Jensen Huang)氏は冒頭、次のように語った。
「今日、話したいことは大きく分けて3つあります。コンピュータグラフィクス、ハイパフォーマンス・コンピュータとAI、AIの次のウェーブとなるロボットです」
NVIDIAは自動運転だけでなく、ロボット開発もAI技術によって加速させることを宣言、多くの日本企業をパートナーとして具体的に発表した。

ディープラーニングを中心にした機械学習、AI関連技術は既に画像関連の分野では様々な成果をあげ始めている。フアンCEOはこう語る。
AIがコンピューター業界を大きく変えようとしている。研究者がディープラーニングの機械学習において、NVIDIAのGPUを使用した時、AIのビッグバンが起こった。そして、その結果は人間の能力を超えるものだった。いま、AIはソフト開発をも革新している。将来ソフトウェアの多くは、コンピュータによって作られるようになるだろう、と。
AI技術による驚くべき成果の実例として、白黒写真を自動的にカラー化する技術(UCバークレー)、髪のカラーを変更するモデル(ロレアル)、2Dのスケッチから自動で3Dモデルを生成するニューラルネットワーク(香港大学)を紹介した。

更にNVIDIAリサーチが開発したGANでは、セグメンテーションマップ(道路や建物、歩行者、空などを線画のように塗りつぶした画像)からリアルな道路の風景映像を生成して合成する技術が披露され、ビデオ映像に別のカメラで撮ったポーズを反映させる技術などが紹介された。「GAN」とはGenerative Adversarial Network(敵対的生成ネットワーク)の略称で、2つのニューラルネットを競わせることで学習する注目のAI技術だ。

フアン氏は「開発者は長く、幅広い分野で使われる、優れたプラットフォームだけを採用します。既に100万人のNVIDIAプラットフォームの開発者がいて、今も増え続けている。ディープラーニング、レイトレーシング、イメージング、コンピュータビジョン、分子動力学、遺伝子配列決定など、主なアプリケーションは、CUDA(NVIDIAの汎用並列コンピューティングプラットフォーム)によって開発されています」と語った。

基調講演の前半は、新しいアーキテクチュア「Turing」と「TESLA T4」の性能を解説し、T4に対応した「TensorRT 5」を発表した。TensorRTは、発表以来、4,000社以上の企業で、12,000人以上の開発者がダウンロードしていると言う。

基調講演の後半は自動運転車や自律ロボット分野で注目の「XAVIER」(エグゼビア)について解説した。「XAVIER」を自律AIシステム用に設計された初めてのチップであり、初の自律動作マシン向けAIコンピュータとした。わずか30Wの電力で、毎秒100兆回以上のオペレーションが行えると言う。

今後、この分野では「NVIDIA AGX」が新しいキーワードとなるかもしれない。「NVIDIA AGX」は自律マシン用のブランドで、従来「DRIVE XAVIER」と呼称していたものは「DRIVE AGX XAVIER」に、「JETSON XAVIER」は「JETSON AGX XAVIER」に改められた。ちなみに医療/ヘルスケア向けAIプラットフォーム「CLARA」も「CLARA AGX」となる。AGXはAutonomous GPU Accelerated systemの略。
NVIDIAは「NVIDIA AGX」ブランディングのもと、「DRIVE AGX XAVIER」で自動運転向けの乗用車、トラック、バス、タクシー等の開発を加速させる。そして「JETSON AGX XAVIER」で汎用性を持った自律マシン、すなわち配達、農業用、産業用、家庭向けなどあらゆるロボット分野、ドローン、モビリティ、あるいはカメラ等に自律的なシステムをもたらすことを目指している。

TensorコアGPUやARMの64ビットCPU等で構成され、従来モデルの「TX2」の性能と比較すると理論値で約20倍の高速性と約1/10の消費電力となる。

AI技術は機械学習がポイントとなる。学習にはビックデータによるトレーニングが必要だ。自動運転であれば膨大な走行データが、しかもあらゆる天候・気象条件のデータが求められる。ロボットも同様だ。多くの経験によって知的に学習する。しかし、そのトレーニングこそが皮肉にも現在のAI開発のネックとなっている。
シュミレーション(CGなど作られた環境)によってトレーニングの経験を積み重ねたり、実際の環境でのテストを「実際の環境を想定したテスト」に変えることで圧倒的に効率化し開発を短期間化しようというコンセプトで開発が進められているのが「NVIDIA ISAAC」(アイザック)プラットフォームだ。

「ISAAC SDK」には、マッピング、自己位置推定、認識、マップエディタ、LQR パスプランナー、ビジュアルオドメトリ、経路探索、奥行き推定(測距)、物理シュミレーション、人物姿勢推定、ジェスチャー認識、人物認識、音声認識など、自律ロボット開発や移動マシン(自律モビリティ)の開発に重要となるアルゴリズムや有用なライブラリがラインアップされる。このライブラリ群をNVIDIAでは「GEMS」(ジェムズ)と呼んでいる。

ヤマハ発動機は、NVIDIAと提携し、自律動作マシンのプラットフォームを統一する。UGV、UAV、 USV、そして電動カートに適用し、陸海空のモビリティに応用、モーターボートやドローン、農業や物流、漁業、ラストマイルの輸送などに反映していく考えだ。自動化と人手不足の解消を目指すと言う。

 

記事元引用:ロボスタ