2018.07.04 A.I.

人よりも AI が信用されるとき

各種ハラスメントの相談役としてカウンセリングを行うAIチャットが存在しました。

人は他人には話せないようなことがあり、その話し相手となり、ストレスなど心の病のセラピーの役割を果たしているそうです。

話した内容は、風化・変質する前にオンラインで記録してもらえ、バイアスや思い込みを排除した事実として残るため、問題が悪化した場合の解決の材料として活用出来ます。

人に話せない悩みなど、相談してみてはいかがでしょうか?

 


 

今年の春に発覚した財務省事務次官のセクハラ事件では、被害者女性記者に対して、弁護士事務所に連絡して調査に協力するよう呼びかけられたことは記憶に新しい。メンツを守ることに必死なエリート財務省に雇われたエリート弁護士に、名乗り出る被害者女性がどこにいるだろうか。それを同省の HP に掲載までして大々的に喧伝し、大臣が当然のことのようにバックアップする、そういう集団的姿勢そのものがハラスメントだった。

弊社 All Turtles が開発して2月に英語版をリリースしたサービスに、Spotというものがある。組織・社会に残念ながら存在する各種ハラスメントを、AIとチャット形式で会話することによって正確に記録してもらうというサービスだ。まずはバイアスや思い込みを排除した事実を、記憶が風化・変質する前にオンラインで記録してもらう。そこから解決の道は始まるのであり、それを会社・人事部に持ち込むか、弁護士に相談するか、文春に売りつけるかは個人の自由。冤罪を防ぐために開発されて英国の警察組織で活用されている記憶・心理学のメソドロジーを専門家と共に AI に組み込み、正確な記録をとることにまずはフォーカスしている。

Spot のような AI は、(少なくとも現時点での技術では)熟練の専門家の代わりにはならないが、いくつかの利点はある。例えば人間が窓口として対応する場合に比べて、(コスト面でも合理的に)24時間・365日の対応ができること。どんな需要にも応えられ、順番待ちが生じないこと。属人的でバラバラなスキルに依存せず、安定した品質であること。(AI の設計段階からバイアスを排除さえすれば)偏見や意図、誘導などからは無縁となり得ること、などだ。

ただ、Spot への相談者の多くから一番に評価されるのは、それが「人間では無い」ということだったりする。もちろんリリース前のテスト段階から把握していたので驚きでは無く、むしろそれが狙いだったりもする。つまりは予想されたフィードバックなのだが、それでも興味深いことに違いない。

不思議なことに、人は他人には話せないようなことであっても、ペットや人形、観葉植物などには話せたりする。人間とペットとの精神的・心理的な関係性や効果に関する研究は多く、ストレスなど心の病のセラピーの役割を果たしているケースも報告されている。

最近では、スマホのチャットアプリに対して相当に深刻な悩みや愚痴が書き込まれるようだ。掲示板に書き込んで人間からの励ましや同情を求めるのでは無く、AI など機械に癒しや慰めを求めているのだろうか。愛らしいキャラクターの気軽なペットやチャットアプリを開発したつもりが、意外にも重い責任が負わされることに気付く開発者もいそうだ。

このような状況は、愛犬に悩みを打ち明けるのと同じなのか、それとも異なるのか。「人よりも AI の方が信用できる」、というよりは、「人はもはや信頼できない」という心理なのか。いずれにしても「効率」や「コスト削減」、あるいは手っ取り早いキャラクタービジネスを目的に開発された AI ツールであっても、暗鬱で重くるしく、そして人間臭い世界に引きずり込まれることは覚悟すべきだろう。そして、それを軽く考えてはならないし、真摯に向き合うことこそが、AI にはできない、人間にできる最も人間らしいことなのかもしれない。今のところは。

 

記事引用元:All Turtles

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