2018.06.28 A.I.

AI時代に食っていくにはテレビゲームで育てなさい! 成毛眞が断言するその理由は…

AI(人工知能)に仕事を取って代わられる「AI時代」はすでに始まっている。その時代の流れに乗って、小学校では2020年にプログラミングが必修科目に加わる。親世代が経験してきた教育は、今の子どもたちには通用しなくなるだろう。子どもを「AI時代に食っていける大人」に育てるには、何を指標にして子育てをすればいいのか。元マイクロソフト日本法人社長である成毛眞さんの著書『AI時代の子育て戦略(SB新書)』(SBクリエイティブ)に、その答えが綴られている。帯には「子どもに徹底的にテレビゲームをやらせなさい」とあるが、その言葉が意味することは…。

■「突出した人」になれ!

本書では、堀江貴文さんや「LITALICO」代表の長谷川敦弥さんとの対談も掲載されている。長谷川さんとの対談で興味深いのは、AIに機械のように使われるのではなく、「AIを使う人」になるにはどうしたらいいのか、という話題だ。2人は「突出した人を目指したほうがいい」と指摘している。

突出した人、つまり「変わった人」や「極端な人」が成功する例は、今までにもたくさんあった。しかし、一部の運のいい人たちに限られていた、というのが成毛さんの見方だ。インターネットで「自分を好きだと言ってくれる人」を探せるようになった今では、突出した人が活躍できる場がどんどん広がっている。実際にインフルエンサーと呼ばれる人には、ちょっと変わった考え方や経歴を持った人が多い。他の人にはないアイデアで仕事を作り出し、雇用を生んでいる。今後はこの流れが加速し、突出した人たちが「AIを使う人」になっていくのだろう。

■未来の仕事のヒントは「遊び」

では、才能がある人しか「突出した人」になれないのかといえば、そうではない。本書によると、子どもは誰でも「ハマる」才能を持っている。それを邪魔しているのは、だいたい親や先生だ。考えてみてほしい。今やっている習い事は本当に子どもがやりたいことだろうか? 成毛さんは「興味がなければ3日でやめたっていい。また次の習い事を探せばいいのだから」と綴っている。将来、「ハマった」経験がやりたい仕事に繋がっていくから、とにかく子どもの頃に「やりたいこと」を見つけておくことが有効だという。

ハマる対象は「遊び」でもいい。テレビゲームを「遊びだから」と毛嫌いする親は多いが、ゲームだって立派な「やりたいこと」だ。これからは「遊び」と「学び」と「仕事」の区別がなくなっていく、と指摘するのは堀江貴文さんだ。AIが単純作業のようないわゆる「楽しくないこと」を受け持ってくれるとしたら、人間がやっていけることは「人同士で楽しむこと」や「遊び」。もともと電子計算機として作られたコンピュータだって、インターネットで遊び倒すような人たちによって、たくさんの娯楽が提供されてきた。これからはその傾向が強まり、「遊び」が未来の仕事を作っていくためのヒントになるという。

■AI時代に稼ぎたいなら「理系脳」が必要

成毛さんによると、あらゆる職業の中でAIが得意とする仕事はディープラーニングができる分野だ。ディープラーニングとは、過去の膨大なデータをもとに答えを導き出すことで、職業としては弁護士や医師が挙げられる。逆に、1回ごとに結果が異なるような職人などはディープラーニングに向かないため、AIに取って代わられる可能性は少ない。

しかし、社会の主軸になっていくのは、ある程度の科学や技術に知識がある人たちだ。同じように食っていくとしても、「安定して稼げる大人」に育てるためには、「理系脳」が必要だと成毛さんは語る。理系脳とは、理系とはまた違って、科学と技術に憧れを持ち、新しいものに飛びついていくことだ。子どもの理系脳を活性化するには、科学博物館に出かけたり、ドローンが飛ぶところを見せたり、そういった簡単なことから始めるといい。成毛さんがテレビゲームをすすめるのは、成熟した現代のゲームにはAIやプログラミングに興味が向くような要素が詰まっているからだ。もちろん、ゲームの種類を選び、プレイ時間を管理するような工夫は必要だけれど。

子どもは親のやることを真似するものだ。親が「プログラミングだの難しいことは得意な人たちに任せて…」ということではAI時代に乗り遅れてしまう。子どもを「AI時代に食っていける大人」に育てるには、まずは親がお手本となって「やりたいこと」をやり、理系脳になることがその近道である、と成毛さんは語っている。

 

記事引用元:ダ・ヴィンチニュース